現代の電子機器は、高速信号処理や無線通信の普及により、かつてないほどEMI(電磁干渉)のリスクにさらされています。「製品が予期しない動作をする」「ノイズ試験(EMC)に合格しない」——これらの課題を解決する鍵となるのが、シールド基板です。
1. シールド基板とは?
シールド基板とは、回路内部で発生する不要な電磁波(放射ノイズ)を抑え込み、同時に外部からの電磁ノイズが内部回路に侵入するのを防ぐために設計されたプリント基板です。
主な手法としては、基板上に金属製の「シールドケース(シールド缶)」を実装するほか、基板内部の層構成を工夫する手法が取られます。

図 HDI基板
2. 主なシールド技術と手法
金属シールド缶(Shielding Can):
特定の回路ブロック(RFモジュールなど)を金属製のカバーで覆い、直接的に電磁波を遮断します。
ガードリングとビアフェンス:
基板の周囲や特定ラインの横にグラウンド(GND)ビアを等間隔で配置し、基板端からの放射ノイズ(エッジエミッション)を抑制します。
シールド層(内層GND):
多層基板において、信号層をGND層でサンドイッチすることで、インピーダンス制御とノイズ遮蔽を同時に実現します。
3. シールド基板を設計するメリット
EMC規格への適合: VCCIやCEマーキングなど、各国のノイズ規制をクリアしやすくなります。
信号品質(SI)の向上: クロストークを低減し、高速通信の安定性を確保します。
製品の小型化: ノイズ対策を基板レベルで完結させることで、外装ケースへの高価なシールド処理を省くことができます。
4. 弊社のシールド基板製造ソリューション
弊社では、高度な技術が求められるシールド基板の製造において、以下のサポートを提供しています。
精密なハンダ付け性: シールドケースの実装に最適な表面処理(ENIGなど)の提供。
高密度ビア加工: ノイズ遮断に不可欠なビアフェンスの精密加工。
特殊素材の対応: 低誘電率・低誘電正接素材を用いたRF基板の製造。
製品開発の最終段階でノイズ問題が発覚すると、大幅な設計変更とコスト増を招きます。設計初期段階からシールド基板の概念を取り入れることが、プロジェクト成功の近道です。
シールド基板の試作や設計に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。