ガラス基板は現代電子機器、特にディスプレイや太陽電池の製造に不可欠の材料です。その品質と性能は、最終製品の良否に直結するため、ガラス基板の洗浄工程は極めて重要な段階です。
ガラス基板洗浄の重要性
ガラス基板の表面は製造過程中に油汚れ、微粒子、そして各種の化学物質に汚染される傾向があります。これらの汚染物は、次の製程で障害を引き起こし、成膜やエッチングなどの品質を低下させる可能性があります。したがって、ガラス基板の洗浄は、各製程の前に必ず行われる重要なステップです。洗浄の目的は、ガラス基板の表面を完全に清浄に保ち、次の製程の円滑な進行と高品質の製品の生産を確保することです。
洗浄プロセス
ガラス基板の洗浄プロセスは複数のステップを含み、機械的な洗浄と化学的な洗浄を組み合わせて行われます。以下は典型的な洗浄プロセスです。
洗剤による洗浄:最初に、ガラス基板は適量の洗剤と水を混合した溶液で洗浄されます。このステップは、基板表面の大部分の粉塵と油汚れを除去する目的で行われます。
去イオン水による洗浄:洗剤の残留を除去するために、大量の去イオン水で基板を沖洗します。去イオン水は高純度の水で、無機イオンが極めて少ないため、基板を汚染しないです。
酸性溶液での超音波洗浄:稀い硝酸と硫酸の混合溶液で、基板を超音波洗浄器内に置き、超音波を発生させて10分間洗浄します。このプロセスは、基板表面の金属イオンを除去する目的で行われます。超音波は溶液内に大量の微小気泡を生成し、これらの気泡が生成と破滅を繰り返す際に強い衝撃を発生し、表面の汚染物を剥がします。
四氯化炭溶液での熱超音波洗浄:基板を80℃の温度で四氯化炭溶液に浸し、超音波を発生させて10分間洗浄します。このステップは、基板表面に残存する油汚れを除去します。適切な温度は油汚れの溶解を促進します。
アセトン溶液での熱超音波洗浄:次に、基板を80℃のアセトン溶液に浸し、同様に超音波洗浄を行います。このステップは、基板表面に残存する四氯化炭を除去します。
アルコール溶液での超音波洗浄:最後に、基板をアルコール溶液中に浸し、超音波を発生させて10分間洗浄します。アルコールはアセトンの残留をさらに除去し、洗浄後の基板はアルコール溶液中に保存されます。
高圧窒素による乾燥:基板を取り出す際、高圧窒素を用いて基板表面のアルコールを吹き飛ばします。