プリント基板(PCB)の設計・製造において、表面実装技術(SMT)の精度は電子製品全体の信頼性を左右します。パッド設計の際、初心者から経験豊富なエンジニアまで、多くの人が繰り返し検討する2つの用語、SMD(ソルダーマスク定義)とNSMD(非ソルダーマスク定義)について触れることになります。
これらのパッドは、チップのはんだボールやピンを支えるという本来の目的を持ちながらも、構造設計のわずかな違いが、はんだ付け品質、機械的強度、そしてPCBの電気的性能に直接影響を与えます。本稿では、これら2つのパッドの本質的な違いと、実際のプロジェクトにおける選択戦略について詳しく解説します。
SMDパッドとは? SMD(ソルダーマスク定義)とは、その名の通り、露出する銅箔の面積がソルダーマスク(緑色のソルダーマスク)の開口部のサイズによって決まるパッド領域のことです。SMDパッドを設計する際、エンジニアは実際のパッドサイズよりも大きめに銅箔領域を描き、その銅箔の端をソルダーマスクで覆います。つまり、ソルダーマスクの開口部は、下地の銅箔よりも「小さい」ということです。
SMDの主な利点:
1. 高いパッド張力:ソルダーマスクが「圧力ストリップ」のように銅箔の端にしっかりと押し付けられるため、この構造により、機械的応力下でパッドが基板(FR4)から剥がれにくくなります。
2. より安定した位置決め:SMDパッドは、衝撃試験や落下試験において優れた引張強度とせん断強度を発揮します。
SMDの潜在的な欠点:
1. はんだ付け面積の減少:はんだペーストは、上面の銅箔の露出面にしか接着しません。
2. 熱応力の可能性:ソルダーマスク自体に一定の厚みがあります。リフローはんだ付けの際、ソルダーマスクとはんだボールの接触により、端部に応力集中点が生じる可能性があります。はんだ付けプロセスが適切に制御されない場合、ソルダーマスクの端部のはんだ接合部に微細な亀裂が発生しやすくなります。

図 高周波基板
NSMDパッドとは?同様に、NSMD(非ソルダーマスク定義)は「銅箔定義パッド」としても広く知られています。その設計原理は正反対で、ソルダーマスクの開口部は下地の銅箔よりも「一回り大きい」形状になっています。つまり、銅箔パッド全体が完全に露出され、ソルダーマスクによって形成されたクリアランスがパッドを囲む形になります。
NSMDの主な利点:
1. 立体的なはんだ付けスペース:リフローはんだ付けの際、溶融したはんだペーストは銅箔の上面だけでなく、パッドの側面にも流れ込み、銅箔の全面を覆います。この「全面被覆」設計により、より広いはんだ付け面積が得られます。
2. 優れたはんだ付け精度:銅箔のエッチング精度(通常±12.5μm程度)は、ソルダーマスクの印刷精度や露光精度よりもはるかに高いため、NSMDパッドの寸法精度は非常に優れています。これは、高精度なインピーダンス制御を実現する上で非常に有利です。
NSMDの潜在的な欠点:
1. 剥離抵抗の弱さ:銅箔の周囲にソルダーマスクがないため、PCB基板への密着性は銅箔自体の接着力のみに依存します。繰り返しの温度変化や強い機械的衝撃を受けると、はんだパッドが基板から「浮き上がったり」、剥離したりしやすくなります。
最新の高密度相互接続(HDI)およびBGAパッケージ設計では、SMDとNSMDの選択は、多くの場合、用途とパッケージの種類によって決まります。1. BGAパッケージの場合:マイクロメートルサイズの大型BGAチップ、または頻繁な振動や落下に耐える必要がある製品(スマートフォンや携帯機器など)では、PCB側には一般的にNSMDが推奨されます。これは、NSMDのはんだ接合部が柔軟性に優れ、温度変化による熱応力を効果的に緩和できるためです。ただし、BGAのはんだパッドが従来のプロセスで製造可能なサイズに収まるほど小さい場合は、製造時やリワーク時にパッドが脱落するのを防ぐために、物理的な強度を高める目的でSMDが選択されることがよくあります。 2. RFおよび高周波信号の場合:NSMDが推奨されます。これは、NSMDが非常に高い寸法精度を持ち、はんだマスクのずれによる寄生容量の変化を最小限に抑え、信号の完全性を確保できるためです。 3. ハイブリッド戦略:多くの経験豊富なエンジニアは、チップ内部の高密度に配置されたピンにはNSMDを使用してはんだ付け歩留まりを向上させ、チップ周辺のコーナーピンにはSMDを使用して落下耐性を確保しています。